「色んな種類のアクション」を細かく分類していく。
分類学は結構重要になってきてるんじゃないかと思う。
■概要
様々な「アクション(ACT)」のサブジャンルを例を挙げて示していく。
結論というか、下記の内容となる。
○視点で分ける
・サイドビュー
・トップビュー/クォータービュー
・FPS/TPS(3D)
○形式で分ける
・プラットフォームアクション(PF-ACT)
・劇場型アクション
・ミッション型アクション
・ベルトスクロール
・探索型アクション
・ダークソウル型
・FPS,TPS
・3Dアクション(3D-ACT)
○組み合わせで分ける
・プラットフォームアクションシューティング(PF-ACT-STG)
・アクションロールプレイングゲーム(ARPG)
・アクションパズル
・リアルタイムストラテジー(RTS)
いくつかは🦐の造語や他の人が言った表現なので、それを踏まえて見ていっていただきたい。
また、いくつかはジャンルとして重複する(3D-ACT⇔TPS、劇場型/ミッション型ACT⇔サイドビューACTなど)
明確に性質が異なると感じたので小分けにしたものと思って貰いたい
まとめた理由
劇場型アクションという表現を使ったところ、どういう意味かという質問があったのと、最近ACTの認識の細分化や拘りが色んな人から見えてきたので、良い機会なのでまとめてみた。
■視点で分ける
サイドビュー
マリオのように「横から見た」ものはサイドビューと呼ばれる。
多くのアクションで採用され、プレイヤーがシステムを把握できる速度も最高となる。
メリットとして、上下左右の動きがわかりやすく、「動かしている」という実感が沸きやすい。
デメリットとして、奥行きがないため、敵の数に制限がかかる、ステージデザインに制約が多い
(ジャンプ出来ない、届かない、すぐ落ちる、通れない、通りづらい…などは避ける必要がある)
といったものがある。
トップビュー/クォータービュー
便宜上まとめたが、要するに上や斜めから見下ろしたもの。
ゼルダなどのARPGに多い。
メリットとして全体を把握しやすい、芸術点が高い、RPGなど、組み合わせに最適…などがある。
デメリットとしてはキャラが潰れやすい、位置を把握しづらい(3Dマリオの操作に最初慣れないのと似ている)、向きの制御が難しい、上手く移動出来ないことがある…などがある。
FPS/TPS(3D)
海外ではFPSもACTのくくりであり、FalloutなどはRPGでもある。
もちろんシューティングの一種だが、実際にSteamなどで「アクション」というタグで検索できる。
結局海外は直感的…現実的なものへの人気が多文化の中で共通で選ばれてきたという背景があるため、自分自身がキャラクターという視点への期待は今でも高い。
当然箱庭的なゲームが好きな人も多いが、「洋ゲーと言えばFPS」と言われるのは何故なのかというのを考えるのも面白い。
メリットはとにかくリアリティが高い。演出が映画的でど派手にできる。
特に「狙い撃つ」「なぎ払う」「機銃掃射」「スニーキング」「VR的」「走りまくる」など、「やってみたかったこと」 を叶えるのに最適となる。
デメリットは視界が限られていて、神視点にしづらい。ということは、何が何だか分からないみたいになりやすい。
リアリティが高いといって、必ずしも素晴らしいというわけではない。(現実そのものはゲームより制限が多すぎる)
なので、FPS/TPSはあくまでゲーム的なリアリティを楽しむジャンルとも言える。
■形式で分ける
プラットフォームアクション(PF-ACT)
プラットフォーム(PF)とは「足場」、すなわちマリオのように、足場を乗り越えて行くACTである。
それ以外の定義はないので、あらゆるアクションがこれに当てはまるだろう。
ここで他と分けたのは、マリオのようにシーケンス型(ステージクリア型)という意味合いもある。
シーケンス型で、今時他と区別を付けるためには…
・ビジュアル:OriやGuacamelee、CupHeadなど
・アクションシステム:カービィ、ワリオ、悪魔城(初期)、ワイワイワールドなど
・kawaii:兎のアレとか
などなど、体力や発想力の要りそうな要素を付ける必要が出てくる。
劇場型アクション
主人公や敵キャラなどをアクター(役者)と見なし、ジオラマや劇のように見立てて行うアクションゲーム。
モモコシアターズなどの作者さんが話していたもので、「ワンダーモモ」などが例に挙げられていた。
あくまで見立てるというだけで、役者や劇を強調しなくてもOK(最後のネタばらし的に表現してもいいが)
ポイントは「一つのテーマや番組の1話のようにステージを用意する」という点。
私が以前書いた「ジオラマシステム」のように、
・悪役が出て来て悪さをする
・市民などが困る
・ヒロインが出て来て阻止してくる
・ヒロインがうちかつ、あるいは負けて酷い目に遭う
までを一セットとする方式が良い例だろうか。
これを見ると分かる通り、特撮やニチアサ的な表現をアクションでやるというもの。
ヒロピンなどをやるには結構相性が良さそうなのと、ステージは最悪劇場(真っ平ら)でもOKと言う点。
難点として一つずつお話をある程度かんがえる必要があるということ。
毎度困難に遭遇して抗う/迎え撃つ/拠点を叩くという形式でも十分楽しいが。
形式としては次で説明するEDF風のミッション形式にも近い。
違いとして、こちらは「物語の一話」であることを重視して、劇のようであっても良いと言う点。
エロリョナとも相性が良いのもポイント。
ミッション型アクション
EDFに代表されるように、「ミッションやステージを選択して、それぞれをクリアしていく」形式。
「ジオラマシステム」や「劇場型アクション」にも近いが、ワンダーモモのように劇であるかを意識しなくてもいいし、むしろ没入感が大事なもの、ということで劇場型と分けた。
ロックマンもこれ。
ベルトスクロール
要するにファイナルファイト形式。
一定時間進み、時々止められて敵が湧いてくる。
メリット:格闘とアクションのいいとこ取り
デメリット:戦略が単調になりやすい。ステージを描くのが大変、など
探索型アクション
所謂「メトロイドヴァニア」。
メトロイドや悪魔城(キャッスルヴァニア)のように、複雑に入り組んだステージ(洞窟や城など)を進み、特殊能力やスイッチなどで道を切り開き、先へ進むアクション。
基本はサイドビューのPF-ACTだが、「同じエリアを行き来する」という点は注目したい。
このことは「どこにでもいける」「自由度が高い」「序盤のエロリョナをいつでも体験で居る」などメリットも多い。
実際にはある程度攻略順が制御されていて、特殊能力も得る順番が半固定されていたりする。
というのも、完全に自由にすると完全に迷子になるのと、迷うと「行けない場所が多すぎるように錯覚する」ため、イライラが募りやすい。
逆に言えば自然に開拓できているように見せる必要があるため、作成は高度化してくる。
まとめると:
メリット
○自由度が高い(ように感じる)
○レベルを上げてゴリ押せる
○序盤にも何度も行ける
○ステージ構成が多彩になる
デメリット
△迷う(ので、良い作品は攻略順が意外と限定されている)
△レベルを上げるのがだるい(難易度上昇曲線の調整が難しい)
△同じエリアを何度も往復する(ワープなどが欲しい)
△ステージを1個1個考えて作る必要がある
「素晴らしいが、作るのが大変」と言った感じ。
ダークソウル型
本来単なる「アクションの動作ジャンル」でしかなかったが、人気が出て有名になりすぎたため、現在「アクションの一ジャンル」という認識になっている。
海外では「難易度」や「ジャンル」、あるいは「Dark Soul like(ダークソウルライク)」など、一つの形式として昇華されている。
形式としては「互いに一撃必殺の殺陣」といったもので、ローリングしつつパリィしつつ敵を倒す…といったところだろうか。
ジャンル自体はTPS/3Dアクションとなる。
FPS,TPS
3Dの一種だが、違いが大きいのでハッキリ分けられるジャンル。
昨今のVRと同様、臨場感を高める上では強い。
一方で当たり判定は3Dのご多分に漏れず分かりづらい。
自分の状況も実際よく分からない。
3Dアクション(3D-ACT)
マリオ64系。
TPSとも言えるが、移動自体に重きを置いているとして分けた。
当たり判定が分かりづらい、移動しづらい、見づらい、…などなど様々な問題もあるが、とにかく臨場感や演出、没入感などは凄まじく、今では標準にすらなっている。
同時に開発コスト、クオリティコストもかなり高くなりがち。
UE4やUnityのお陰でマシにはなったが、クオリティコストはまだ必要といったところ。
■組み合わせで分ける
プラットフォームアクションシューティング(PF-ACT-STG)
ロックマンやコントラスピリッツに代表される、「撃つPF-ACT」
攻撃手段が遠距離メインということで、うちの「えびげん」などのようにマリオやダークソウルとは独立したジャンルといえる。
遠距離になることで相手も遠距離を撃つようになり、シューティングの利点を得ることができる。
具体的には:
・ショットとショットの応報が派手になる(弾幕は弾幕そのものが美しく映る)
・狙い撃ちなどの楽しさがある(FPSなどと同じ)
・ごり押しでもいいし、近接特有の難しさが低い
・攻撃力が上がるため、大量の敵を倒す演出が可能
逆に、下記は欠点でもある:
・弾や敵が大量に出て来てごちゃごちゃになることも。
・操作性と噛み合わないとイライラすることもある
・ただ撃ってるだけなのは単調になる危険も。
エロリョナとの相性は…どうなんだろうか。ゲームとしては優秀だと思う。
アクションロールプレイングゲーム(ARPG)
ゼルダなどに代表されるジャンル。
RPGの良さを得られる。
○演出、ストーリー、イベント、探索の楽しさがアップ
○キャラクターのモーションパターンが減る
逆にデメリット(というか難易度アップ要素)もある。
△難易度調整が難しい
△イベントやテキストが大量に必要になる
△ギミックの用意が難しい
△フラグ設定など複雑化
△NPC作成が大変
若干製作者視点の話で書いたが、ぶっちゃけプレイヤー視点ではメリットしか無い。
RPGなので、エロリョナとの相性も良い。
欠点として、1つのクエストとして進むので、「二度と見られないイベント」というものが結構出てくる。
アクションパズル
テトリス、ぷよぷよなど。
もはやアクションともパズルとも独立した存在になっている。
エロリョナとの相性…というより、脱衣ブロック崩しやクイックスのように、ご褒美として使われることが多そうだ。
ゲームシステムそのものをエロリョナに最適化するのも点数が高いが、ゲームデザインの難易度も上がる。
リアルタイムストラテジー(RTS)
スタークラフトやCommand&Concur、RedAlertなど、ユニットを操作して占領&侵略&防衛(Strongholdなど)を行うゲーム
戦略や配置、配分管理などの要素が重要だが、いざ戦闘時は細かな操作が必要になる。
とにかく大量の敵味方が入り乱れるのが楽しく、アクションとしてはそこそことしてOverwhelming(圧倒的な力でねじ伏せる)の快感の方が強く出てくるだろう。
エロリョナだとレミングスや私が前作ったヒロインハンティングのような楽しみ方だろうか。
■その他
上記以外にもアクション要素のあるゲームは大量にある。
・音ゲー
・VR
・タイミングゲーム:リズム天国など
・ケルナグール
・ミニゲーム類
・RPGなど各種ゲームのアクションパート
正直言って、全てのゲームはアクションゲームの一種ではないかとすら思えている。
(ボタンを押して、何かが動けばアクション…?)
なので、分類学としては本ページのように「カテゴリ」で分類方法を限定していった方が分かりやすいだろうと考えて書いていった。
■まとめ
アクションの本質は…みたいなことは書かないが、個人的には「ボタンを押したらキャラが思った通り動く楽しさ」が大きくウエイトを示していると思っている。
思った通りにキャラクターが動いて、問題を解決していく楽しさがあれば、どんな形式でも楽しい…のが本質の一つと言っても良さそうだ。
一方で、ゲームは「本質と表層」で出来ているので、本質がいくら素晴らしくても、手に取るきっかけ≒表層が無いと熱狂的ファンが産まれない限り難しいだろう
たつき監督が言っていた「1万人のうち1000人が楽しさに気付き、100人が周りに伝えてくれる」というバランスが理想か。
その工夫の一つが「形式」であったり、「他ジャンルとの組み合わせ」になってくると思われる。(もちろんデザイン、ビジュアル、演出、音響でも攻めが、素材1要素で攻めるのは相当な腕が要りそうだ)
総合的に言えばインプレッションをプレイヤーにどう伝えるか。
分類学によって「どういう手法が今まであったか、どういう手法を選び、どういう要素と組み合わせるか」…といった整理の助けになることが、本ページのや分類学そのものの存在意義の一つだろう。